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「してやった」は、心に「負の遺産」を貯める

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 晩年の哲学   05 

哲学先生 
「ありがとう」と心やすらかにこの世を去るか、
それとも、「チクショウ」と呪いながら去るか?
それを決めるのは、心の遺産のありようです。
しかし、私たちは、知らないうちに「負の遺産」を
貯めてしまう言葉を使ってしまいます。それは――。




  あの人には、いろいろしてやったのよぉ。なのにさぁ……。
  ああ、あいつねェ。面倒みてやったんだよなぁ、いろいろと。それがよぉ……。

 みなさんは、心の中でこんな言葉を口にしたこと、ないでしょうか?
 今回、取り上げるのは、ここに登場する「してやった」という言葉です。
 もし、あなたの心の中に、この「してやった」という気持ちが潜んでいると、そういう心は、けっして「平安」を得ることはできない。その「平安」を得られないまま、終焉を迎えることになる――という話をしてみようと思います。

女の子アイコン2 「してやった」が求めるのは、心の「報酬」

 なぜ、「してやった」という気持ちがあると、心は「平安」を得られないのでしょうか?
 「××してやった」は、常に、「報酬」を求めるからです。
 「報酬」と言っても、別に、金銭や物品を要求するわけではありません。求めるのは、「感謝」という報酬です。
 私は、人に「感謝」を求める心ほど、あさましいものはない――と思っています。
 もちろん、感謝されることはうれしいんですよ。しかし、それは、何かをしたことの結果として、思いもかけず返ってくるものであって、期待するものではない。
 私は、そう思っています。
 ところが、「してやった」を口にする人たちは、その「期待してはいけないもの」を期待してしまうんですね。そして、その期待が裏切られてしまうと、口の中で、あるいはあからさまに口に出して、こう言います。

  まったく、あんなにいろいろしてやったのに、ありがとうのひと言もないんだから。

 こういう心は、たぶん、救われない。
 100年生きても、1000年生きても、救われない。
 私は、そう思っています。

女の子アイコン2 「感謝」を期待する心は、「心の負債」を溜める

 なぜ、救われないか?
 「してやった」と言わせる心が期待する「感謝」は、本人が期待するほどには返ってこないからです。
 期待するから返ってこない――と言ってもいいかもしれません。期待したものが返ってこないと、期待した人の心の中には、「あんなにしてやったのに」という「負の感情」が溜まります。実は、この「負の感情」がやっかいなのです。
 「楽しかった」「うれしかった」「感動した」などという「正の感情」は、その感情が芽生えた時点で清算されていますから、後を引きません。
 しかし、「負の感情」は、そうたやすくは消えません。「感謝してもらわなかった」という「未清算」の感情ですから、然るべき「報酬」が得られるまでは、溜まる一方です。
 溜まった「負の感情」は、やがて臨界点に達し、一気に噴き出してしまいます。

私は、●●もしてあげた、××も、○○もしてあげた。こないだなんて、▽▽までしてあげた。なのに、あなたは……。

 こんな言葉を浴びせて、親しい人間に破局を告げる――なんてことも、あるかもしれません。最後には、こういう言葉を浴びせる相手が、「みんな」に変わってしまうかもしれません。
 これで、「心豊かな人生であった」と言えるでしょうか?
 私は、「NO」だと思います。

 「してやった」と思う心が溜め込むのは、清算されないまま積み増されていく「負の感情」ばかり。こうして心に溜まっていく「負の資産」は「負債」となって、人生のお荷物となってしまいます。
 私は、こういう人生は、まっぴらごめんです。

女の子アイコン2 右手のしていることを左手に知らせるな

 もし、人のために何かをするのであれば、「してあげている」という意識もないままにするべき――と、私は思っています。
 そういう好意を「無償の好意」と言います。
 「無償」でなければ、「好意」である意味がない、それは「愛」でさえない――と、思います。
 転びそうになった子どもに思わず手を差し伸べるとき、かわいい犬の頭を撫でるとき、あなたはいちいち「してやっている」と思って、その行為に及ぶでしょうか?
 たぶん、そんな意識もなく、ごく自然に体が動くのではないかと思います。
 「無償の好意」というのは、そういうものです。

  あなたの右手がしていることを、左手に知らせてはならない。

 これは、『聖書』に出てくる言葉です。
 「自分はいいことをしている」などと意識するな、頭の片隅にも浮かべてはいけない――という教えです。
 意識すればそれは「偽善」になり、意識しなければ「無償の好意」になる。
 この境界は、とても重要だと、私は思っています。
 そして、「無償の好意」が、ごく自然にできる人は、人から「まぁ、あなたは、なんていいことをしたんでしょう」とホメられても、「いや、私は、何もしてませんよ」という態度をとります。
 とぼけているわけではなくて、「してあげた」という意識がないから、何のことを言われているのか、自分でもわからないのです。

 雑念の多い私ですが、早く、そういう心境になりたいものだと思います。
 なので、極力、この言葉=「してやった」だけは、心の片隅にも浮かばないようにしよう――と心がけています。
 浮かびそうになると、「おっと、いけない」と自分を戒めます。
 こういうのは、心の習慣です。
 そう思わないようにしようと思っていると、いつの間にか、それが心のありようとして定着します。
 人生も「晩年」にさしかかったあなたには、「××も、○○もしてやったのに」「あんなに尽くしてあげたのに」などという「負の資産」を貯めたまま、残された時間を過ごしてほしくない――と、支配人・長住は思います。そんな「負の遺産」を残したままでは、「成仏」も「往生」もできないし、祝福されて天国に迎えられることもないだろう、と思うからです。

 ああ、いい人生だった。
 ありがとう。


 できれば、そう言って旅立ちたいものですよね。

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Re: No title

おてつだいニャンコさま

コメントありがとうございました。

> してやったのに・・という気持ちはあまり持ったことがありませんが(してあげられる程の能力がないだけかもしれませんが・・・苦笑)、憎しみに近い感情を持ったまま最期を迎えたくないですね。

「してあげられる程の能力がないだけ」には、感服です。
この謙虚な気持ちがあれば、
天国のおばあちゃんも、猫も、両手を広げてあなたを迎えてくれると思いますよ。

哲雄

No title

はじめまして。先日は、応援コメントをありがとうございました。

人間だから、ついつい、愚痴りたくなっちゃうんですね~(><)。
私も、いつも文句ばかり言っております・・・反省せねば!。

してやったのに・・という気持ちはあまり持ったことがありませんが(してあげられる程の能力がないだけかもしれませんが・・・苦笑)、憎しみに近い感情を持ったまま最期を迎えたくないですね。

天国には、私の大好きなおばぁちゃんと、大切な猫が待っていますので、「何やってんの?」って言われないように生きていこうと思います。
感謝する気持ちって大切ですよね。
ためになるお話をありがとうございました。

おてつだいニャンコ

Re: 私の場合は

呑兵衛あなさま

コメントありがとうございます。
「ありがとう」は、私も、何かにつけて言うようにしています。
問題は、最近、言う相手に恵まれないことですかね。
しょうがないから、太陽や月に、
「ありがとう」を言ってます。

哲雄

私の場合は

死に際して、誰かに何かを言える時間的な余裕は無いだろうと危惧しています。
現実的には、医師と看護師に囲まれているだけで、看護師の「家族を呼び寄せる」行為が間に合うか否かというところだろうと思っています。
そんなわけで、最後の時まで待たずに、普段から何かにつけて「ありがとう」を言うように心がけています。
朝目覚めるという補償は無いのですから
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